つつじヶ丘のラーメン屋「みーとん」が美味しい

2021/05/05追記

検索サイトからたどり着いてくださる方が多いようなので追記です。つつじヶ丘のみーとんは、ご主人の体調不良によりだいぶ前から休業されているようです。ご主人のご健康を祈るばかりです。

地元の、いわゆる街の中華屋さん的な店があって。
第一印象は、そんなに美味しそうな雰囲気がしないなーと思ってました。まあ国道沿いじゃないから、とかその程度の理由です。
ただ、酔っ払ってる時というのはむしろそういう「フツーなラーメン」の方が体に合いそうだと思って、多少勇気を持ってお店に入ってみたところ、かなり美味しい店だったので常連になってしまいました。

ご夫婦おふたりで切り盛りしてらして、器用とは言えないながらも心温まる接客をする店で、終電で帰ってきた常連さんが割と集まってます。
ラーメン雑誌とかには載るような飛び抜けた個性があったり、油コテコテのものではなく、比較的素朴な味なんだけど、どのメニューもひと工夫されてて、普通の醤油ラーメンが普通に美味しくて、普通の餃子が普通に美味しい。

この店らしいなーと思ったのが、ご主人とお話していた時のこと。
「終電のダイヤ変わったでしょ?だからうちも営業時間のびちゃいましたよえっへっへっへ。だからこの時間はいっつも晩酌の時間なのに、皆さんが飲んでるのを見ながら我慢する時間になっちゃいましたえっへっへっへ。」
ちょうどダイヤが変わった翌日、2時ぐらいに聞かせてくれたお話です。
それはまあ常連命の商売と考えれば当たり前かも知れないけど、やっぱりチェーン店じゃそういう臨機応変な対応はできません。こういうところも、なんとなく心にくるところがあって、よりファンになっちゃいました。

僕はこの店のラーメンのファンだから、機嫌良い時も悪い時も、同様にこの店に寄って、無言でラーメン食って帰ってます。
おっちゃんとはそれほど頻繁に雑談かましたりはしないんだけど、そんな僕みたいな常連には変に干渉をしてこず、よく喋る常連さんとはよく喋る。
そして、いつも通り無言で帰ろうとする僕に一言詫びを入れてきたりする。
「うるさくてすいませんね、昔ながらの友達なんですよえっへっへ」
僕は美味いラーメン屋がうるさかろうと煙かろうと何だろうと、そんなに気にはしないんですが、一言添えてくれた愚直な接客が、なんとなく嬉しかったり。

ごくたまーに、このラーメンが好きなのか、このさして喋った事のないこのおっちゃんが好きなのか分からなくなる日があります。
そして、特に絶賛をするわけでもなく、なーんかあのラーメンが食いたいなという気分になる日が多くなってきてどんどん、この店に通う頻度が高くなってくる。

僕も接客業に従事してるようなものなので、仕事目線で見つめちゃうところもあったりします。この店みたいに、ある子にはトーク満載で、ある子にはそーっと温かく迎え入れてくれる街の中華屋って、ひとつの理想形だなって思います。

顧客に対して意識を持ってる店が必ず成功するかっていうと、それはまたそう簡単な話じゃありません。
でも、僕が大ファンなお店って、こういう、なんかグッと来ちゃうような接客をするご夫婦店舗が多くて、それは確かにチェーン店には絶対にできない事だから、ドライに見ても理にかなったことなんだよなーと思います。

良い人や真面目な人って、短期的には損してるように見えるけど
長期的には絶対見返り来るはずだと信じています。