オナタンツェルニー

こないだのコロバのライブの時
対バンの子で2月20日生まれの人がいて、軽くその話で盛上がった。
もうこの日は、日本の有名人の誕生日知りたがり界では
最も知られる誕生日である。
志村けん、アントニオ猪木、長嶋茂雄。
昭和を代表するスターが同じく2月20日に生まれている。

俺の誕生日が2月21日なのは絶妙だと思う。
この「惜しさ」「残念さ」は、我ながら見事だ。
同じ誕生日の有名人も、どう探してもハイヒールモモコしか見つからない。

みたいな背景から、楽屋では「俺は○○と同じだよ!」「へー!」
みたいな話で盛り上がって、コロバのドラムMAAちゃんが
山本五十六と一緒って似合うなーとか、そんな事やってて
俺もちゃんとwikipediaで調べれば、他にも出てくるかなと思ったら
なんと香里奈、要潤と、結構オナタン(同じ誕生日の)有名人が増えてた。

あともう一人、俺とオナタン(同じ誕生日)で重要なのが、ツェルニー。
これは幼少期にピアノをやってた人なら誰でも知ってる名前だが
そうでない人には初耳だろう。
幼き頃から神童と呼ばれ、ベートーベンの弟子にしてリストの師。
そのベートーベンの要望によって練習曲集を完成させ、
これが数百年に渡って世界的なスタンダードとして、現在に至るまで使用されている。
ベートーベンの「皇帝」初演においてはソリストとしてピアノを演奏しており
まあこの辺りのエピソードからも、一流の天才であった事は容易に想像できる。

が、現在において作曲家として名が知られているかといえば
同時代を生きたシューベルトらに、数歩遅れをとる。
数歩の遅れをとると、音楽室の年表にも貼られないし
練習曲の本の名前として認知されてしまい、作曲家として、人名としては認知されない。
なーんかシンパシーを感じてしまうのだ。

そして、なにより、なんと、驚くべきことに
痛風で亡くなっている。

同じ誕生日のツェルニー。略して、あ、やっぱ略すのやめた。

本日の一曲
Czerny: Etude in G minor, Op. 740 no. 50

こうやって聴いてみると、本当にシューベルトより
良い曲が書けなかった人なのか疑いたくなる。
本当にシューベルトより才能がなかったのか、分からなくなる。
ただ、一流と超一流の境目ってのは、そういうところにはなかったりもするし
やっぱりそういうところに微妙な差があったりもする。