「2.1pathetic」を再リリースする理由と追加内容について

2017年にリリースした「2.1 pathetic」に新曲2曲を追加して再リリースいたします。
2022年3月28日に配信開始となりますが、特にプロモーションの打ちようもないので、せめてブログで煽り入れておくことにします!

2.1 pathetic (Deluxe Edition)

配信サービスへのリンクはこちら(2022/03/28リリース)

  1. Slow Driving (instrumental)
  2. 夜.com (feat. AKINO LEE)
  3. Boat33
  4. 終わりなき祭りの後 (feat.ハンサム判治)
  5. Baby (feat.玖保レオ)
  6. Affected Song (feat.Yukimi)
  7. Uber Across the Manhattan Bridge (instrumental)

追加された2曲について

終わりなき祭りの後 (feat.ハンサム判治)

判治さんとデブパレードを組む前、2005年ぐらいに渡していた曲で、最近になって改めて歌唱をお願いしました。
ジャコパス調のベースは僕が弾いてるんですが、これはMONGHANGにいた時に作った曲なので、どちらかというとケイタイモの影響で作ったベースラインです。荒川沿いに住んでいた十数年前に、フィールドレコーディングをしてみよう!とスティックとマイクを持って川辺を歩いて録音した音がそのまま使われています。

判治さんは無骨で不器用なゴリラボーカリストだと思ってる人が多いと思うんですが、僕は最もやりやすい、ちゃんと楽曲なりパートナーに溶け込むタイプの、気を使ってくれるボーカリストだと思ってます。
特に僕がよく主張している判治論が2つあって、まず作詞家として、楽曲の雰囲気を捉えるのがすごく上手いこと。デブパレード時代にも僕の無茶な注文にホームランを打ち返してくれた事が何度もあったんですが、今回もなんとなく僕の描いていた、荒川のそれほど雄大とは言えない夕暮れの風景にドンピシャの歌詞を返してくれています。
そして2つ目が歌の安定感ですね。賛否あるかも知れませんが、この人ピッチが良いと思います。今作も一箇所たりともピッチ修正していません。ボリュームも安定していて、オートメーションを一切書いてないです。
「ベテランならでは」という冠詞もちょっと似合わなくて、普通ベテランはこの手の曲にこの声圧は出さないと思います。そういう、唯一無二の判治さんの歌声がしっぽり聞ける曲って、実は多くないのでお楽しみいただければ。

Baby (feat.玖保レオ)

玖保君という役者をやっていた友人が、実体験に基づいて書いたという絶品の歌詞を曲にした、珍しく詞先の曲です。2009年頃に作った曲なので、このアルバムの中ではBoat33と同時期ですね。

この曲は、何人かの身内に聞かせたところ絶賛されまして、売れるポテンシャルがあるんじゃないかと考えて、いつか絶好のタイミングを見計らってリリースしたいと思って温存していました。
また、この曲はドラム、ベース、ギター、ピアノ、チェロすべて僕の生演奏なんですが、ugazin名義ではバンドサウンドの曲は出さないつもりでいたので、これも僕がリリースせずに温存していた理由のひとつです。
今回の再発にあたって、patheticというアルバムテーマにはピッタリの内容だったので、この度収録することにしました。

その他の曲も全曲解説しています

2017年に書いた記事がこちらです。

再リリースをした理由

EPの扱いに不満があった

現在のサブスク型配信サービスは6曲以下の作品をシングルの仲間として扱っていて、アルバム一覧に載らない仕様になっています。(詳しくはこちらの記事をご参照ください。)
僕にとって2.1patheticは「短いけどアルバム」という気持ちで生み出したもので、シングルとしてアーカイブされることが許せなかった、というのが直接的な理由になります。

並び順をキレイにしていく事も狙って、「2.2 flashback」が発売される前に、アルバムとして2.1がリリースされている状態にしたかったのです。

意外とストーリーとして成立した

そんなにストックを持ってるわけではないので、追加する2曲を選ぶのは非常に苦労しました。
多少なりとも改めてこの作品を聞き直す気になってもらいたいので、ここでボツ曲を入れるような事をするとそれが叶わないでしょうし、僕もこのアルバムの品質を落とすのは嫌だったので、良い曲を入れることが絶対条件になります。
結果、他のアルバムに入れようと思っていた曲をこちらに招集するかたちで、自信を持って良い曲だと言えるものを追加できました。

僕も、完成された作品におまけを入れるような事には若干の抵抗があって、他の候補曲をあてて「うーん違うな」みたいなことを繰り返していたんですが、この2曲をはめたときに、pathetic(悲壮)というコンセプトにもガッツリはまっていて、アルバムを通したストーリーにスッと時間軸が通ったことでアルバムに厚みが出たことで、これならゴーだと思えた次第です。

是非皆さんにたくさん聴いていただけると幸甚なので、28日になったらガンガン聴いてください!!!!