ITバンドマンから見る採用基準

このエントリは Pepabo Managers Advent Calendar 2016の第17日目の記事です。16日目は人事まうりんのジンジン復活祭でありますでした。

IT業界において最もキャッチーな自己紹介をしますと、「今年の新卒説明会でメタルの曲作った人」宇賀神でございます。ペパボではCS(カスタマーサービス)のマネージャーをやっております。どうぞよろしくお願いします。

今年はいろんなところで公言してきましたが、ペパボに入るまでミュージシャンやってました。今もちょっとやってるんですけど。

IT業界にはバンドマン出身の人が多いですね。その代表格といえば、Switch Styleの前澤さん(zozotown)と54-71の佐藤ビンゴさん(VICE JAPAN)でしょうか。まあ他にもたくさんいらっしゃいます。アイキャッチ画像はヌンチャクの小島さんで、やはりIT会社の社長をやってらっしゃいます。

この極めて優れたお二人を引き合いに出して「バンドやってた人は優秀だ」とかっていう断定するのはあまりに乱暴ですが、バンドマン出身の人が持っている経験値がIT業界にややマッチしてるんじゃないかと思ってまして、今日はその辺から。

 

バンドマンといっても様々なんですが、例えばあるレベルに達しているとこんな経験をしている場合があります。

  • 小売店に頭下げに行くのを1日10店舗とか回るような営業経験
  • 自分よりモチベーションの低いメンバーにハッパかけたり長所を活かしたりするようなプチマネージメント経験
  • デビューとかしていた場合は、A&Rやマネージャーなど、運営スタッフが10名近くになるんですが、その人数の会議をまとめるプロダクトオーナーとしての経験
  • フライヤーとネット広告どっちが効果あるみたいな計算を含むプチマーケティング経験
  • 上手かろうがかっこよかろうが売れなければ金が入らないという純然たる社会の仕組みをまるで身体を切り刻むように教わる社会経験
  • 8時間フルでバイトした後に重い楽器かついで移動して2時間から多い場合は4時間のスタジオリハをやった後に1時間のmtgをするとかいうのを週2〜週3でこなすブラック企業のようなスケジュール経験

面接官やったことある方なら、ちょっと魅力的に感じないでしょうか。「親や先生の言うとおりにベンキョウ頑張れば良い点数がとれて良い大学に行けて良い就職先に行けてお金ももらえて幸せになれる」という幻想に疑いを持たなかった人と、どっちがITベンチャーで活躍できるでしょうか。実際これ系の経験を積んでる僕のバンド仲間の中にも名だたる企業で活躍してる人が少なくないです。

もちろん何も考えずになんとなくやってただけのバンドマンも多く存在しますので、これは一概には言えませんが、最低でも僕は採用面接をするときに学歴そのものよりも、自分の頭で何かを決断をした事があるか、という点の方がよっぽど採用基準として信頼できると思っていて、六大学を出てるという話よりも、バンドに限らず誰からもやれと言われてない何かをやり始めた話を聞けた方が魅力を感じます。

 

逆に採用する企業側の話。ちょっと前にIT業界に飛び込んできた人達っていうのは、「安定した職業」として入ってきてはいないと思います。「大学卒業することだし、どっかに就職しなきゃなー。んじゃ無難にITにしとくか」という発想は成り立たなかったはずで、比較的チャレンジングなことをやってきた人が多く、そういったチャレンジャーがそのまま面接官をやってたりします。
ここが他業界よりもIT業界とマッチすると思ってる所以です。

僕は34歳の時に正社員歴ほぼ無しの大学中退という状態で就職活動をしていたんですが、多くの面接官にやはりそういう匂いを感じました。

日頃チームマネージメントの仕事をしている中で、もちろん指示した通りの事を迅速に確実にこなす能力の高い子には助けられるし驚かされることも少なくないです。そういうスタッフがいなければ会社は成り立ちません。ただ、指示がなければ動けない人より「これやってみたら面白そうじゃね?」という感覚と行動力を持った人の方が大きい価値を出せます。そしてその感覚や行動力は先天的なものではなく、今からでも鍛えられるものだと思ってます。

特にお若い皆様におかれましては「誰からもやれと言われてないけどやってみたら面白そうだ!」とか「よくよく考えたら自分はこれやったら最高のイケメンなのでは」みたいに思うことを、行動に移してほしいなと思うし、行動したんだったら意地でも結果出すために恥ずかしいぐらい本気出してもらいたいなという事を述べたところでおさらば!