コケライフ

否定してくれる人もいるんだろうけど
基本的に俺は、こと音楽に関して15年間コケ続けてたのだ。
これは、俺のライフプランから考えたら「人生にコケ続けてきた」と言っても良いわけで。

結局、小学生時代からやれ天才だのともてはやされながら
数多のチャンスに恵まれながら
あらゆる優れた出会いに恵まれながら
ヒット曲のひとつも産み出せないままリタイアした。

そして、コケる度に立ち上がった。
それが俺のプライドになっていたりする。
その度に、あらゆる人に支えてもらえたり
自分を客観的に見つめなおしたりしてきた。
22歳でメジャー落ちして漫画喫茶のバイト面接に落ちた時は
本気で死にたいとすら思ったけど、結果俺は成長できた。

じゃあ、コケた方がいいのか。それは違う。断じて違う。
同期デビューで、コケずに20代前半でヒット曲を産み出した友人もいるが
彼なんかは俺が漫画喫茶のバイト面接に落ちてた頃から
一流のエンジニアと一流の歌い手と一流のプレイヤーに囲まれながら
俺より密度の高いミュージシャンライフを歩んでいたわけだし
その経験には絶対勝てない。
絶対にコケない方がいいと思う。

うちの社長を見ても、20代で創業から上場から社長就任を経験していて
俺が今から死にものぐるいで頑張ろうが、今から創業しようが
その立ち位置、経験値には近づく事すらできないと思う。

ただ、じゃあ今どっちが幸せか、とか言われれば、
そこはあっさり負けを認める気にはなれないんだよね。
こっちも生きてきたプライドはあるから。
だから後進に対して、俺は何を言っていいのか分からなくなる。
コケまくりの人生しか歩んだ事がないから。

ただひとつ言える事があるとしたら
コケてねーフリだけすんのはかっこ悪いし、得るものが少ないから
コケたらしっかり自分を見つめなおしてみじめな思いをした方が、、
うーん、でも本当にそっちの方がいいのかな。分かんねーや。

本日の一曲
石橋英子 / Eiko Ishibashi – 「imitation of life」

エイポと5年も一緒にバンドやってた事が、たまに信じられなくなる時がある。
死んじゃった人の音楽みたいなんだよね。