ゲストにしてくれなくて大丈夫です

長らくバンドマンとして生きてきて、ここ10年以上
毎週のように友達のライブに通ったりしてきましたが
僕らはそのほとんどを無料もしくはディスカウントされた料金で観てきました。

これが”ゲスト”ってやつで、元々はスカウトさんが入りやすいように
ハコ側が配慮したものだったらしいんですが
金の無いバンドマン同士が応援しあったり刺激しあったりする上で
この制度を利用して、お互い無料で招待しあうのが慣例になっていたりします。
演る側にとっても、観てもらいたくてしょうがないからライブやってるわけで
利益の有無に関わらず、1人でも観客が多いのは嬉しいことです。

分かりやすかろうと思って「金の無いバンドマン同士」という書き方をしましたが
別に金があろうが無かろうが、それに命かけてるミュージシャン同士であれば
相手が40代50代の大先輩だろうが、既に成功を収めていて収入のある仲間であろうが
それはあんまり関係なくて、やっぱりゲスト出したり出されたりする事はよくあります。


そうやってライブハウスで酒飲みながら音楽を聞くっていう文化を
共に盛り上げていく者同士が、より頻繁にハコを行き来するのは
基本的には良い事だと思っています。  

ただ、これは飽くまで、持ちつ持たれつの関係において成り立つものなのです。
例えば見ず知らずの子が「1人でも観客が多いのは嬉しいでしょ?」とかいって無料で入りたいと言ってきても
それはお断りなのはお分かりいただけると思います。

毎回正規料金を払って来てくれる子がいるのに、無料で知らない子を入れられるわけない。 さらに、これは知らない子じゃなくても全く同じ事で、 ざっくりとした言い方すればカタギの人からは、大親友からも親からも、僕は必ずチケット代をいただいていました。

「ゲストでいい?」「さすがに定価じゃ友達誘えないわー」みたいな事を カタギの友達に平然と言われた事も何度かあったけど こういうのって、「とにかく観てもらいたい」っていうミュージシャンの気持ちを利用した 恐喝みたいなもので、結構気持ち的にはダメージを喰らいました。
心当たりのある方は、できたら祝儀だと思ってもいいからちゃんと買ってあげてください。

さて、僕は今でもライブをたまーーーにやってて、それはそれで真剣にやってるつもりだけど
それでも僕は現在カタギのサラリーマンで、ここ3年間について言えば、
バンド仲間をゲストで招いた記憶があんまりありません。  

そして正直なところ、当時と違ってライブのチケット代ぐらい払えるようになったし、ライブに行く目的はそういう文化を盛り上げるためでも刺激を受けたり与えたりするためでもなく、ただ楽しみに行くわけです。
僕は昔と違って、「お客さん」なわけです。
今も変わらず音楽に命かけてる友達のライブにゲストで入れてもらうのに どうも違和感を感じるようになってきました。  

という理由で、今後全てのライブにおいて、正規料金払うことにしたので 僕が「行くよー」って言った時は前売りを置きチケしてくださいませ。
「いやー俺命かけてるってほどでも、、、」とか思わなくていいです。 偉いでしょ?