ジョシュ・クリングホッファーがレッチリを脱退し、ジョン・フルシアンテが復帰することになりました。

レッチリに参加することでジョンと比較され、過小評価されてしまったギタリストだと思います。(これはデイブ・ナヴァロもそうだったんですが)

そんな彼の脱退を世界中が喜んでいると思うと、1ギタリストの端くれとしてあまりにやりきれないなと、いろいろ考えてたら筆が止まらなくなりました。

ジョシュ入りレッチリのプレイリスト作った

もしかして皆さんに知られていない気がする曲を中心に作りました。BGMとしてどうぞ。

ジョシュ入りのライブが良くなかった理由

ジョシュをフォローするような記事を書き始めておきながら、かくいう私も、ジョシュが加入してからのレッチリのライブを二度ほど見ていますが、全然良くないと思いました。

この理由なんですが、最も大きいのは、ファンがBy the Wayの頃の曲を心待ちにしてしまっている点だと思います。

あの当時のレッチリというのは、もはやアンソニーとジョンのツインボーカルといっても良いぐらいにジョンの絶品コーラスが目立っていました。ジョンがコーラスやらなければ楽曲の魅力が成立しないような曲ばかりだと思います。
あんな曲やらされたら、代役が務まるギタリストなんて世界中どこにもいないんじゃないでしょうか。
新曲や、アップリフトあたりの曲を中心にセットリストを組んでいれば、ジョシュがここまで酷評されることはなかったと思います。
とは言え、そうすることがバンドにとって良いとは思えませんが。

さらに、ことライブに関して言えばジョシュ以外のメンバーの演奏力の劣化がかなり目立っていました。これはモチベーションの問題でしょうけど、バンド4人の中でいえば、むしろ最も良いプレイができていたのは間違いなくジョシュだったと思います。
あの状況でジョシュを非難するのは、あまりにもお門違いです。

2013年頃に人知れずリリースしていた8枚のシングル

僕の個人的な評価では、「The Gataway (2016)」は名盤だと思います。特にtr.4の「The Longest Wave」に至ってはレッチリの歴史の中でも5指に入るぐらい好きな曲です。

ジョシュとレッチリは、10年かけて徐々に噛み合わせを良くしてきたと思います。
上述の通り「ジョンの曲を演奏する」という難題は上手にクリアできたとは言い難いですが、これは誰にもクリアできないものです。「素晴らしい新譜を出す」という難題は、このアルバムでクリアできたのでそれを充分に評価してあげたい。

その、噛み合わせを良くするためのPDCAサイクルを高速回転するような狙いがあったんでしょうか、2012年〜2013年に9枚ものシングルを連続リリースしています。
これが、アルバムに全く収録されていなかったからなのか、内容があんまり良くないからなのか、あんまりプロモーションしていなかったのかわかりませんが、この9枚をまともに聴いたという人と、まだ会ったことがありません。

この連続リリースシングルで聞けるバンドの音は、The Gatewayほどの完成度ではないんですが、「I’m with You (2011)」より少し噛み合い始めてる感じがします。特に、ジョシュのギターサウンドはかなりアンソニーの理想に近づいたんじゃないでしょうか。

アンソニーの理想のギターサウンド

アンソニーの理想というのは、ジョンの後継者になるということではありません。彼は常に初代ギタリストである故ヒレル・スロヴァクの姿を追っていると思います。
アンソニーの横でギターを弾くということは、ストラトをストラトらしく鳴らし、かつBOSSのディストーションでダーティな歪みを使わなければならず、激しく動き回るライブができ、それでいて現代に配信されてもバンドサウンドがリッチにしあがっていなければいけないわけです。
アンソニーとバンドをやるということは「ヒレルっぽさを感じさせなければ合格できない」ということに他なりません。

あの90年代オルタナを代表するギタリストであるデイブ・ナヴァロですら合格できなかった、こんな課題をジョシュはクリアできたんじゃないでしょうか。
これはアンソニーにしか分からないですが、もしかするとジョンより上手にクリアできたのかもしれない。
だからこそ10年も連れ添ってきた。と私は解釈しています。
ライブでアップリフトの曲をもっとやっていれば、、と考えているのも、どこかジョシュにヒレル・スロヴァクに通ずるものを感じていたからです。

レッチリでギターを弾くということは、ファンからはジョンを求められ、アンソニーからはヒレルを求められる。
そんな過酷な環境で、ジョシュは素晴らしいプレイスタイルを掴んでいました。

これにはスタンディングオーベーションを禁じえません。
ライブが全然良くないとか言ってごめんね。
お疲れ様、ジョシュ。