メジャーデビューの希少性を野球で例えてみた – 甲子園出場との驚くべき共通点

Introduction

私はかつてバンドマンとしてメジャーデビューを果たした経験があります。現在一般社会で生活していると、その経歴に驚かれることがしばしばあります。

実は、そんな皆さんの認識と実態の間にはいくつかのギャップがあるんじゃないかと思います。
ひとつは、バンドマンは必ずしもメジャーデビューを目指しているわけではなく、皆さんが思っているよりももうちょっと多様な活動方針があるということ。 そしてもうひとつが、皆さんが思っているよりもメジャーデビューするアーティストは多いんじゃないかということです。

この、後者「メジャーデビューの希少性」について深掘りしてみると面白いデータになるのではないかと思い、調べてみました。

音楽でメジャーデビューするアーティストの人数は年間およそ500名

90年代末期に私が某雑誌で調べた情報によると、当時は年間で300組程度のアーティストがメジャーデビューしたとの情報がありました。これを見て、自分はメジャーデビューを目標にしてはいけなくて、むしろ最低スタートラインになると捉えたのをよく覚えています。
その他、ChatGPTに調べさせた結果では、2000年前後の日本ではアーティストやバンドが年間でおおよそ100組以上メジャーデビューしていたという報告があるそうです。

もちろんこのあたりは年度やジャンルによって変動がありますし、正確な数値はどっちにしろ出ないでしょうが、ざっくり間を取って200組としてみましょう。僕が1度目にメジャーデビューをしたのも2000年の話なので、この年代に軸を合わせてみます。

さらにここから「俺メジャーデビューした事あるんだぜ」の人数を出します。 当時の音楽トレンドから、なんとなく平均人数を想像しました。当時の情勢から、ソロの女の子シンガーが全体の50%近くを占めると計算し、バンドは3名バンド(当時ELTのような3名ユニットがそこそこいた)が12%、4名バンドが22%、5名バンド(当時ビジュアル系は5名バンドが多かった)が15%としてみました。

そこから計算すると、1アーティストあたりの人数は平均的に2.64名となり、年間でメジャーデビューしたことがある人数は528名ということになりました。僕の肌感覚としても、この数値には違和感がありませんでした。
(これは飽くまで2000年前後を想定した推測値であることを改めてご認識願います。)

プロ野球選手になれる確率はもっと希少だ

日本プロ野球(NPB)では、12球団が所属しており、毎年10月に行われるドラフト会議で各球団が新入団選手を指名します。1巡目から7巡目までの指名がありますが、逆指名があったり指名重複があるため、実際の指名選手数は変動します。おおよそ、各球団が年間で6人から12人程度の新入団選手を指名し、合計で72人から144人程度の選手がプロ野球選手として新たに登録されることになります。

ざっくり競技人口が同じだと考えた場合、先ほど算出したメジャーデビュー経験者の人数と比較してもプロ野球選手の方が希少性が高いことが分かります。

メジャーデビュー経験を持つアーティストの中には、作曲も作詞もしたことがないドラマーや、カラオケの経験しかない女の子ボーカリストも多く含みますので、これは僕の肌感覚としても納得感が強くありました。

メジャーデビューは、甲子園出場と同じぐらいの希少性である

次に、野球で甲子園に出場できる学校の数について調べました。夏の甲子園に出場できる学校数は、各都道府県から1校ずつ選ばれるため、基本的には全国47都道府県から47校が参加します。さらに、「センバツ出場校推薦枠」により、毎年数校が追加で招待されるため、実際の参加校数は50校前後になります。

スタメン9名として450名になり、ベンチ入りまで含めるとかなり高い確度でメジャーデビュー経験者と合致します。

高校野球連盟によると、硬式野球部の部員数は1学年あたりおよそ45,000名程度のようです。高校で硬式の野球部に入る時点でふるいにかけられてしまいはしますが、甲子園出場の希少性はおよそ1%程度ということが言えます。

音楽については競技人口の測定が非常に難しいのですが、ライブハウスに出演する層あたりを母数に置けば、メジャーデビューのハードルが1%程度というのはかなり納得感があります。

最後に

この記事の中で、私たちは音楽でメジャーデビューするアーティストの希少性と野球で甲子園に出場できる確率を比較検討しました。 その結果、メジャーデビューを果たすことも甲子園出場も簡単なことではなく、多くの努力や才能が必要です。

野球で甲子園に出場する確率とメジャーデビューの希少性を比較することで、私たちは自分たちの経験や目標を客観的に見ることができます。これらのデータや比較が皆さんにも参考になることを願っています。

最後に、夢を追い求めることは素晴らしいことですが、それぞれの道のりは困難が伴うことも多いでしょう。しかし、努力し続けることで、自分が目指す道を切り開くことができることを信じてください。